HEIMTEXTILE 2019 海外最新インテリアトレンド カーテン編
ドイツ・フランクフルトにてインテリア見本市ハイムテキスタイルが行われました。
Heimtextil 2019
Heimtextilが2019年1月8日から4日間ドイツのフランクフルトにて開催されました。
出店者数は3,025社でした。去年が2,975社だったので安定しています。
来場者数は約67,500人が参加しました。2018年は68,584名でした。ほぼ一緒です。
今年のハイムの印象
今年のハイムテキスタイルは去年までとは会場構成がガラリと変わり、巨大な面積を誇るホール8と呼ばれる場所がカーテンやブラインドなど窓装飾関連メーカーのメイン会場となり、最も集客力のあるホールとなりました。毎年メイン会場を彩ってくれるドイツの「DECO TEAM(デコチーム)」によるインスタレーションも例年に増して洗練性と完成度が高まり、「Fashion Chic(ファッション・シック)」「Modern Chic」「Summer Style」「Pure loft」この4つのテーマを軸に、最新のカーテン生地やファブリック、家具、小物をふんだんに使った空間コーディネート展示がありました。今年は例年以上に見応えがあり気合が入っている印象。とりわけ、ベルベットやアールデコ幾何学デザイン、バーガンディなどトレンド素材・デザイン・カラーを網羅した「Modern Classic」のテーマを圧巻。ホール4.2では難燃糸トレビラCSを扱う「トレビラ社」のコーナー展開があり、セバスチャン・ヘルクナーなど人気デザイナーをリーダーとしたチームによる実用性を踏まえたプロジェクト向けのトレンドを発信していました。ドイツの名門JAB、イギリスのROMOなど、世界の有名エディターがトレビラCSを使用して織り上げた生地を使用してコーディネートした実践的な展示もあり見応え満点。ヨーロッパではハイエンドマーケットの不況もあってかELITISなど一部不参加者となったエディターもありましたが、国や商品レベルを問わず人気のあるメーカーは元気そうです。
トレンドコンセプト Toward Utopia
2019/2020シーズンのトレンドコンセプトは“Toward Utopia”
解釈はユートピア(=理想郷)の方へ
経済的な豊かさだけではなく、新しい幸せのカタチを求めて、人々がユートピアを追求する時代になりつつあると意味が込められています。ユートピアに向かう5つの道筋としての「Puesue Play」「Seek Sanctuary」「Go Off-Grid」「Escape Reality」「Embrace Indulgence」というカテゴリーで構成。ここでは、その5つのカテゴリーとカラー・デザイン・テクスチャー傾向を紹介します。
カテゴリー① Pursue Play 遊びを追求する
コンセプト
遊びをツ級することで余裕が生まれ、閉塞感から脱却することができる。
カラー・デザイン・素材傾向
多彩なカラーやパターンを組み合わせて使用するのがポイントです。レッド・イエロー・ブルー・グリーンなど原色系の強いカラーを大胆に使うが、ブラックにってる引き締めるのが特徴です。素材はキルティングやボンディングなど厚みがありクッション性の高いもの、ハニカムメッシュなど立体感のあるものなど。
カテゴリー② Seek Sanctuary 安らぎを求める
コンセプト
無駄を削ぎ落とし本質を追求したシンプルでミニマルでありながら、温かみもある暮らし。
カラー・デザイン・素材傾向
カラーはオフホワイト、ベージュ、グレー、グレイッシュパステルなどニュートラル系。素材は心地よさがあり柔らかくクッション性の良いもの、天然素材または天然素材ライクなのもの。
カテゴリー③ Go Off-Grid オフグリッド
コンセプト
Off-Gridとは元々「送電線網を利用しない」という意味。自然と共生、最新のテクノロジーと自然エネルギーを利用した、スマートな暮らし。
カラー・デザイン・素材傾向
デザイン/カラーは、アウトドアやミリタリーを連想させる、スモーキーでアーシーなもの。素材は、耐久性のレザーやツイード、スポーツウェアに使われるハイテクなもの、自然で不揃い感のあるもの。
カテゴリー④ Escape Reality 現実逃避
コンセプト
現代社会からの逃避をバーチャルな世界に求める。/VR(仮想現実)AR(拡張現実)技術が背景にある。
カラー・デザイン・素材傾向
カラーはライト・パステル、ライラック、ブルー、ピンクなど。超現実的でデジタルな雰囲気が漂うマーブルデザイン。素材は、デリケートで光に反射するようなツヤ感のあるもの、軽量なもの。
カテゴリー⑤ Embrance Indulgence 寛大さを抱く
コンセプト
1920年代~のアールデコ調でクラシカルな雰囲気をベースに、現代の軽やかなエッセンスをプラス。
カラー・デザイン・素材傾向
バーガンディ、ダークブラウンなど伝統的で重厚感のあるカラー、アールデコ調幾何学柄・小紋柄など。素材は、レザー、シルク、ベルベットなどラグジュアリーな質感、ハンドクラフト的な温かみを感じさせるもの。
ハイムテキスタイル Design&Colour Trend Topics 2019/2020
TREND TOPIC 2019/2020 ① Memphis & Bauhaus Design
1980年代に流行した、明るく刺激的な配色と、複雑で有機的なポストモダンデザインが特徴のメンフィスデザイン、今年開校100周年を迎えるドイツのバウハウスデザインが多く見受けられました。
ワシリー・ガンディンスキーやピエト・モンドリアンを想起させる、円や直線、四角形などを構成した幾何学的な抽象デザインが特徴的です。
TREND TOPIC 2019/2020 ② Tropical Forest & Animal Pattern
ジャングルとそこの棲む鳥や猿をモチーフにしたプリントは、去年爆発的にでましたが、今年もまだまだ健在みたいです。全体的ややダークめでシックな、大人っぽい色合いのものが多く、現代のインテリアに落とし込みやすいのがポイントです。
TREND TOPIC 2019/2020 ③ Art-deco Geometric
ここ数年トレンドとして続いているアールデコ調の連続幾何学デザイン。ネイビーやゴールドを使うクラシカルな重厚感がありながら、同時にシンプルにエッジが効いたモダンさも感じさせる、ベーシックで普遍的な柄です。
TREND TOPIC 2019/2020 ② Texture : Craftsmanship & Imperfection
凹凸感/異素材の交織/不揃い/手仕事のような温かみといったキーワードで形容されるツイード調のボリューム高いファブリックが多数。無造作ナチュラルタイプからファッショナブルなシャネルタイプまで、各社特に力をいれて開発しているそうです。 素材は綿・麻・ウールなど天然素材もありますが、レギュラーポリエステル・難燃ポリエステルなどの合成繊維でも崇高性のあるナチュラルライクな糸を使い、本物の天然繊維と比較しても謙遜のないクオリティーに仕上がってきています。技術の進歩ですね。下段写真のPOUF は機的で温かみのあるシェイプが可愛いクッションチェア。各社のディスプレイでよく見かけられた。
TREND TOPIC 2019/2020 ⑤ Color : Pink & Green
2019年のパントンのカラー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれたLIVING CORAL。珊瑚のような、温かみのある優しいピンク。また自然からいんすぱいあされたディープなグリーンがトレンド!ペールなダスティピンクやしっかりした濃度のローズピンク、リビングコーラルなどピンク系統のカラーは今年は特に要チェックですよ。また、ピンクではないですがグリーンのコーディネートはモダンクラシック、トロピカルなどジャンルを問わずよういられてきています。適度な対比が美しい組み合わせです。
TREND TOPIC 2019/2020 ⑥ Color : Deep Rich Tone
ドイツのデコチームがトレンドのインテリアスタイルとして展示していた「モダン・クラシック」のカテゴリーで多用されていた、ディープでリッチなトーンのカラー。特にバーガンディ、マスタード、ダークグリーンなどです。左下のJABではバーガンディを中心にレッド~ピンクの色相をバランスよく組み合わせて最旬コーディネート。ベルベット素材により、色の深みがより増幅しています。
TREND TOPIC 2019/2020 ⑦ Indoor Greenery
「屋内緑化」屋内にいながら緑のオアシスを体感できる「エディターズカフェ」がホール8に登場。ジャングルジムのようなスチールの骨組みには無数の緑の鉢植えが設置され、癒しの空間となっていました。その他、壁面緑化を専門に取り扱う会社のブースも多く出店されていたそうです。
TREND TOPIC 2019/2020 ⑧ California Style
日本でもトレンドである西海岸スタイル。ナチュラルライクな素材とブルーやグリーンを中心としたソフトなパステルカラー使い、そしてラフなスタイリングが特徴です。クラーク&クラークなどでもここのカテゴリーが前よりも増えたのはその理由なのかもです。去年とは引き続き同じものもありますが色などの傾向はすこしずつ変化しています。このヨーロッパの最新トレンドをカーテンコーディネートに活かして提案していきます。最新インテリアトレンドを発信するオーダーカーテン専門店は大阪のSOEYです。
投稿者: STAFF