サンプルイメージ
2018.02.25 | News

海外インテリアトレンドニュース2018 ハイムテキスタイルなど

カーテンを始めインテリアのトレンド展示会の最新情報をお届けします。

 

ドイツで行われたハイムテキスタイル2018/2019

ハイムテキスタイル 2018

毎年1月にドイツ・フランクフルトで行われる海外見本市ハイムテキスタイルは今年も4日間の開催。来場者は去年を少し上まる約70,000人の来場とまずまず。今年のトレンドコンセプトは“THE FURETURE IS URBAN”でした。解釈は未来は都市にあるだそう。その中から4つのライフスタイルトレンドで構成されていました。都市部における諸問題を4つのライフスタイルトレンドでご紹介。

 

THE FLEXIBLE SPACE フレキシブルな空間

背景は急激な人口増加と相まり、都市部の単身世帯の増加によって生活空間は縮小傾向。例えばアメリカでは2016年の平均居住空間サイズが2009年と比較すると、なんと7%も小さくなっています。これは日本でも都市部、東京や大阪でも起こっている現象です。また非正規労働者の文化が広がり新たな家族構成の出現や若い世代の住宅所得能力の低下など都市化は更なる課題を生み出している。

解決のためのコンセプトは狭小な居住空間を前提に、モデュール家具や持ち運び可能なポータブル家具を使用し利用可能なスペースを最適化したり、スイッチ一つで空間構成を変化できる仕組みを構築する。我々日本人にとっては馴染みのある問題で必然的に無駄を削ぎ落したミニマムなインテリアですがそこにカーテンを中心としたファブリックで温かみをプラスする“ソフト・ミニマム”が注目。写真の様にハンガーなどの機能性を持ったベッドは出来るだけ空間を広く見せるために抜いた仕様に!左の写真はスペースを最大限に活かしながらニッチにならない様にピンクのファブリックで温かさをブレンド。

 

THE HEALTHY SPACE  健康的な空間

ハイム フランクフルト 海外

こちらの背景は、都市に住むことにより、人々は生活や労働・学習・リラックスなど多くの時間を室内で過ごす傾向にあり、アウトドアに接する機会が減少しています。それにより、室内においても健康や精神の均衡、生産性を高める事が出来るよう、イノベーティブなデザインを模索する事が必要になってきた。特に大気汚染は人口過密都市における問題のひとつでありWHOの報告によると地球上において10人中9人の割合で汚染された空気を吸って生活することを余儀なくされているそうです。

解決へのコンセプトは室内におけるセラピー効果として、科学的に赤色の空間でくつろぐ事が精神的に良いと立証されており、赤を基調としたインテリアを提案。また政府から個人まで様々なレベルで空気汚染問題への取り組みが行われていてインテリアスペースの単純な緑化から空気を浄化する革新的な仕組みづくりが進んでいます。リラックス効果のためにインテリアへの植栽配置や赤を効果的に使ったインテリアはトレンドのひとつになっているようですね。

 

THE RE-MADE SPACE  再生物の空間

カーテン 最新トレンド

ここの背景は都市部で発生するゴミの急増が深刻で社会問題となっている。世界銀行の発表によると2025年までに都市部では人口が14億人増加し各人が出すゴミの量は一人当たり1.42kg/日となるそうです。

解決へのコンセプトは数十億の人々によって作られたごみの山を前にして、現在の様にゴミの一部のみが資源だとする概念を捨て、全てのゴミが何か新しいモノに生まれ変わるという考えを持つ必要性がある。持続可能な未来のために、資源のリユースを前提としたモノ作りを行う。ハイムの展示では古着のデニムや新聞紙などを再生してより高価値なものに生み出す事が提案されていました。以前、パリで行われるメゾンエオブジェで割れた陶器を修復し、更なる味わいをプラスする日本の“金継ぎ”がアップサイクルの概念に基づくものとして紹介されていた流れのようです。要は再生利用しながらもデザインなどで付加価値を高めましょう!な解釈ですね。

 

THE MAKER SPACE  メーカーの空間

ハイムテキスタイル カーテン

ここでの背景は、インターネットの発達によって製造における革命が起こっている。デジタル技術が進んだことにより誰がどこにいてもモノづくりに必要な情報やスキルを簡単に入手出来るようになり、作り手と消費者側の境界線が曖昧になってきている。

更なる発展に向けてコンセプトは作る側と使う側がお互いにWIN/WINな関係でいれる様に、知識の共有化などのコラボレーションを意識したモノづくりのプロセスが必要。グローバルなサプライチェーンによる大量生産というビジネスモデルから脱却し都市部にいながら必要なものを自分で創り出す自給自足への転化。デジタル技術による最先端な自給自足はすごく刺激的で斬新です。また、昔ながらのハンドクラフトへのリスペクトへの流れもありユーザーや作り手はニーズに合わせて選択できるような仕組みが大事だと感じます。

 

トレンド① Green&Tropical

ハイムテキスタイル 2018

グリーン&トロピカル。去年から引き続き注目のトレンド要素。各社メインディスプレイに最も多用されていたのはトレンドカラーの“グリーン”を効果的に使ったトロピカルテイストのカーテン・ファブリックや壁紙によるコーディネートです。グリーンはビビッドなエメラルドグリーン、ややダークなティールグリーンなど色相とトーンのバリエーションが豊富。青々とした木々が茂るジャングルや、南の島の猿や鳥など有機的なモチーフが活き活きと描かれたプリントは今後要チェックです。SOEYでも人気のCLARKE社も新作はモンキーのデザインがあります。またゴールド系やブラックフレームの家具や小物と合わせるのも今年の流れです。

 

トレンド② Soft Minimal

トレンド カーテン 2018

ソフトなミニマル。従来の究極的なシンプルをコンセプトとした“ミニマル”に、ファブリックやウッド家具で温かみをプラスしたソフトなミニマルが実用的なインテリアスタイルとして注目。上の都会的なトレンドの流れですね。ピンクやグリーン・ブルーを中心とした優しいパステルカラーとナチュラルカラーを組み合わせて、シンプルながら上質感を目指してまとめています。

 

トレンド③ Artisan Texture

手仕事的な質感。麻や綿、ウールといった天然素材(天然素材風)、カラーミックスのネップ糸やスラブ糸、嵩高性のあるバルキー糸を使用した、ボリューム感のあるツイード調のファブリックが増えてきています。やはり、都会的なライフスタイルに対する反動なのか手仕事的な温かみを感じるものへの憧れなどが反映。去年から欧米で話題になったライフスタイルのコンセプト“ヒュッゲ”(デンマークの言葉で居心地の良い時間や空間の意味)の流れからかもしれません。

 

トレンド④ Tonal Reds&Yellow

レッド系の色調&イエロー。ベージュやグレージュでニュートラルなカラーに加えて、今シーズンはレッドやイエローなどポジティブな活力を与えてくれる鮮やかな色調を取り入れたコーディネートを多く見かけます。ドイツのプロスタイリスト集団“デコチーム”にもトレンド色として取り上げられていたレッド系カラーはレッド近隣色のタンジェリンオレンジやコーラルピンクやベルベッドなど様々なテクスチャーをミックスして使用するのがポイントです。またイエローはグレーやパープル系、ブルー系などの組み合わせがアクセントカラーとして効果的です。

 

トレンド⑤ Metallic Accent

メタリックのアクセント。落ち着いたトーンの。ゴールドやコッパー、ブラスによるアクセントは、今のインテリアには欠かせないエレメンツと言えます。ゴールドは、ネイビーやボトルグリーンなどダークトーンのカラーとの相性がとりわけ良く、去年に引き続きベルベット素材と組み合わせることが多いようです。ちなみにベルベットは欧州においてはレーヨン系の光沢感のあるものよりもコットン素材などのマットな質感のタイプにシフト傾向とのお話です。フィリップ・スタルク氏のKartell社のマスターズチェアもメタリック色のラインでトレンド感いっぱいです。

 

トレンド⑥ Ultra Violet

パントンカラー2018

ウルトラバイオレット。以前の記事でもご紹介しました2018年PANTONE カラー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたトレンドカラー。短波長の青と長波長の赤が混ざったミステリアスなカラーであるウルトラ・バイオレット。インテリアで容易に使える色ではないかもしれませんがアクセントカラーであるイエローと組み合わせたりすると取り入れやすいですね。

トレンド⑦ Modern Tribal

モダン・トライバル調の幾何柄。幾何学デザインは、3年前くらいからずっとトレンドの中心を担うエレメンツであり続けていますがその中でも、民族調のトライバルデザインによりすっきり感と洗練性をプラスした“モダン・トライバル”に注目されています。シンプルなナチュラルモダンやクラシックテイストのインテリアにもグッと採り入れやすくなった印象ですね。

トレンド⑧ Abstract Design

アブストラクト(抽象)デザイン。墨流しのようなマーブル模様や、山の稜線・地平線を思わせる、ランドスケープ(自然の景観)を題材にした抽象的でスケール感のあるアブストラクトデザインのアイテムがファブリック・壁紙の高級エディターを中心に多く展開されていました。オランダのkobe社の2018年新作ファブリックのMOODSも抽象的なマーブル状の柄を緻密なジャガード織にて仕上げていました。

 

まとめ

 

去年に引き続き、グリーン系の色を基調にしたトロピカルテイストが非常に多い。またブルーも引き続き人気ですがモロカンなブルーから写真の様なギリシャブルーに変化しています。
以前までのまた世界的に防炎商品への欲求が高まっていて、トレビラCS糸はもちろんですがそれ以外にもノンブランドの難燃糸を使った商品が各地で以前よりも盛んになってます。麻や綿、そしてウールなど天然素材のファブリックが増加。また欧米市場での横使いドレープカーテンの人気が高まっています。クリエーションバウマンでも以前のデザインのまま横使いのドレープカーテンを発売してますしね。デジタルプリントの機械を導入企業の更なる広がりなど見受けられます。
テーブルは日本人馴染みのある丸形が増えました。鳥のデザインも鶴が注目されているそうでより日本的に。ジオメトリックパターンも青海波などここでも日本的なものが現在の欧米にはウケているみたいです。個人的には日本人には難しいデザインパターンではあるので実用的には難しいかもですが。。ただ、東京オリンピックなどに合わせて今後は更に日本文化を意識したデザインが増えそうな予感です。

この冬にお披露目になった新作カーテンはこれから日本でも順次発売されますので要チェックです。最新トレンドと日本のインテリアに巧くマッチできるようにオシャレに提案するオーダーカーテン専門店SOEYでもこれからサンプルが入る予定なのでご期待ください。

投稿者: STAFF

TOP